「薬学部に入れれば薬剤師になれるんでしょう?」
という声を聞く事がよくあります。
それは全く間違った認識です。
残念ながら、薬学部に入れても、薬剤師になれなかった人は大勢います。
進級率30%台の大学や退学率50%の大学も現実にあります。
嘘であってほしい
その人たちは、薬学部の勉強量の多さや留年による授業料の負担等で辞めていきました。
薬学部は私立だと1年で200万近くかかります。
1留するだけですごい負担になってきます。
そのため、きちんと自分の行っている大学の特徴を理解し、早い段階から留年しないための対策をしていく必要があると思います。
薬学部は2〜6年生前半向けの参考書が充実していない‼︎
そんな考えから広い範囲の学生が利用できるような要点集を作成しました。
ストレート合格率とは?
「ストレート合格率」とは6年生まで1度も留年せずに、国家試験に受け、合格している率のことです。
正直、ストレート合格率を見て、大学入学を決めている人はあまりいないと思います。
大抵の場合、入ってからその大学の合格率を気にする人が多いと思います。
大学ごとの詳しい情報は文部科学省薬学部における修学状況等で確認できます。ご自分の所属している大学、及び志望大学を確認してみて下さい。
自分の大学の現状を見るのが一番
簡単にまとめると、
ストレート合格率
2017年度入学(108回国家試験受験)の私大では1番高くて79.0%。1番低い大学だと18.8%。ストレート合格率平均は57%。
2018年度入学(109回国家試験受験)の私大では1番高くて87.0%。1番低い大学だと21.3%。ストレート合格率平均は62%。
年よって多少の違いはありますが、平均ストレート合格率は6割程度と他の学部ではありえないほど低いです。一緒に入学してきた人たちの6割しかストレートで合格できないのです。
また、高偏差値である慶應義塾大学や東京理科大学ですら、ストレート合格率は8割程度です。
大学受験を突破してきた秀才を集めてきても、ストレート合格できる割合は8割程度でしかありません。
あれだけ高校時代頭よかった人でも…現実は厳しい
薬学部の最高で8割程度なので、当たり前ですが、偏差値が下がれば下がるほどストレート合格確率は悲惨なものとなってきます。
低い年だと2割程度しかストレート合格できない大学もあります。
そのくらい薬学部のストレート合格は難しいものとなっています。
これらの事実から見てわかるように、薬学部にとって、留年は4割程度が経験するごく当たり前のものとなってしまっています。
出願者数と受験者数なぜ違う?
薬剤師国家試験では、出願者数と受験者数に大きく「ずれ」のある大学があります。
体調不良など、何らかの理由で当日受験できなかった人と言うイメージがありますが、ほとんどの場合は違います。
「大学側が国家試験の受験資格がないとみなし受けさせていない」のがほとんどです。
具体的には、6年生進級の時点では国家試験を受けさせようと思っていたが、学力が足らず、このままでは薬剤師国家試験に不合格で大学の合格率を下げてしまうと考えるため、卒業を延期させ、見た目の合格率を上げようとしているためです。
学力が足りず、卒業要件を満たしてないため留年という理由で受験させないのはわかりますが、やりすぎる卒留をしている大学がありました。
確実に受かる人だけを国家試験に受けさせ、見た目の合格率を上げさせる。
合格か不合格か微妙な人は留年させ、1年余分に学費を払わせる。
国家試験合格率も上がり、志望者数は増える。
留年させているため、大学側に入る学費も増えるという、大学にとっては得しかない行為を行っている大学があります。
しかし、学生にとっては大迷惑です。
もし受けていれば受かっていたかもしれない。試験を留年させられ、1年余分に学費まで払わされると言う地獄。
しかし、もう6年生のため大学を辞めるという選択肢はなく、ただただ大学の言いなりになっている状態です。
酷い話だ‼︎
アフターストーリーから始まる物語:葬送のフリーレン
脅威の退学率
薬学部にとって、最も恐ろしいのは「退学」です。
こちらでご自分の所属している大学、及び志望大学を確認してみて下さい。
この年度に限らず、全体的な退学率を簡単にまとめると、
退学率が最も高い大学は、ほぼ半数近い人が退学
2023年度で退学率3割以上の大学は8校
2023年度で退学率3割以上の大学は8校でした。私大57校の中で8校はなかなかの高確率です。
募集人数や退学の定義など様々な理由はあるかと思いますが、データの通り、薬学部は退学する人たちもかなり多いです。
しかし、これでも改善されている方だと思います。
薬学部の退学率は2021年度に初めて公表されました。
それまで、薬学部の退学率はブラックボックスで、学生自身、体感として人がいなくなっていく感じはわかりますが、誰が留年して誰が退学しているかなどはわかりませんでした。
現状を正しく把握している人はほとんどいなかった
まさに、薬学部の闇でした。
文部科学省が、ストレート合格率、退学率を公表するようになったため、留年や退学によって見た目の合格率を上げるという方法ができなくなりました。
そのため、あからさまな留年や退学は改善傾向にあると思います。
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留年しやすい人の傾向
推薦入学は留年しやすい?
よく推薦入試で入学した人は、留年しやすいと言う話を聞きますが、それはあまり関係ないと思います。
推薦入試であろうと、一般入試であろうと薬学部で大切なのは、勉強を継続できる力です。
たとえ勉強があまり得意ではなくても、頑張って勉強し、単位をとる努力ができる人であれば、留年は避けることが可能です。
逆に、なまじ記憶力がある人でも、科目数の多い薬学部では勉強時間が足りず単位を落とすことが多いです。
大切なのは入学方法ではなく今の意欲‼︎
留年しやすい人のリアル
過去問を入手できない人
薬学部の進級ではこれが全てです。
気持ちは痛いほどわかります。
・授業もろくに出ず、過去問だけ要領よく貰い、テストだけ受けて単位を貰う学生は本来の学問ではない。
・日ごろから学習に取り組み、毎日予習復習をしてきちんと理解してからテストに臨むべきだ。
学習に対して、真摯に取り組んできた人であればより一層そう感じることが多いでしょう。
私も初めは過去問はズルだと思っていました。
真面目に勉強している人より楽している人の方が報われるなんておかしい‼︎
しかし、薬学部は戦場です。
先程も述べたように手段を気にしていたらあっという間に留年、退学が待っています。
過去問を一切入手せず、ストレートで6年間合格したという人は私が知ってる限り存在しません。
どれだけ能力が高くても過去問なしで、薬学部6年間を過ごすのはほぼ無理だと思います。
過去問がないとだめな理由
1つ目は、定期テストは教員の癖が強くでるからです。
選択問題だけのめちゃくちゃ簡単なテストもあれば、全て記述で出してくるめちゃくちゃ暗記しなければならないテストもあります。
全ては出題教員の裁量によって決まります。
選択問題で出されるテストに全て記述できるほど暗記するのは時間の無駄です。
逆に、すべて記述で出すテストに選択問題程度の知識で挑むのは無謀といえます。
要は、力を入れなければいけない科目とそうでない科目を分別してテスト勉強しなければいけません。
過去問を持っている人は、その分別をつくことができます。
しかし、過去問を持っていない人は、このどの科目が選択問題なのか記述問題なのかわかりません。
試験の2週間前位になれば、教員の口から試験の方式が言われることが多いですが、2週間前に知ったところで対応できない教科がほとんどです。
そのため、可能であれば履修開始前から、この講義はどのようなテスト形式で行われるか、事前にリサーチしておく必要があるのです。
早めに動くのがコツ
2つ目は、薬学部には時間がないということです。
薬学部は、座学だけでは終わりません。
実習もあるし、グループでの課題作成もあるし、発表もあるし、レポートもあるしやらなければいけないことがたくさんあります。
1年生の時は、予習復習をして過去問なしで良い成績を取れた人でも、実習やグループ活動などが始まると時間がなくなり、いつの間にか再試験を受ける羽目になるなんてこともあります。
「時間は有限」でやらなくて良い事はやらないという意識を身に付けておくのが大切です。
時間の使い方は国家試験対策でも大切になってきます
3つ目の理由は、成績が研究室配属に大きく関係することです。
大学ではGPAと言う成績が出てきます。
これをもとに、研究室配属が行われることが多いです。
研究室の定員以上に希望者が集まってきてしまった場合、判断基準はおそらく成績かくじ引きになるでしょう。
多くの場合は、成績が良かった人から希望の研究室を選べるというシステムになっています。
つまり、成績(GPA)が低いとブラックの研究室に入る可能性が高くなってしまいます。
何とか過去問なしで単位を取得したとしても、過去問なしで取れる成績は、過去問を持っている人の成績に劣ります。
そうなると、過去問を持った生徒から良い研究室に入ることができるため、不平等はより加速してしまいます。
ブラック研究室に入ってしまうとグンと国試合格率が下がるとか…
そのため、早めに、過去問への拒否感を捨てて、なんとしてでも、過去問を手に入れる努力をした方が、結果的に効率的になります。
過去問を手に入れるための努力がその後の定期試験勉強につながり、結果的に勉強への努力につながります
PEOPLE1の「怪獣」という曲もオススメです‼️:怪獣8号
過去問の入手方法
とは言え、過去問はそう簡単に手に入るものではありません。
仲の良い友達が、都合よく過去問を持っている可能性は低く、かといって、全然知らない人に声をかけるのも大変ですよね。
先輩から入手
基本的に過去問の入手は縦のつながりで行われます。
先輩から貰うのが正規ルートです。
しかし、縦のつながりといっても難しいですよね。
サークルを行っている人や下宿で同じマンションに先輩がいるなどの経路があれば、もらいやすくなりますが、薬学部はあまりサークル活動に熱心な人は少ないと思います。
大きな大学だと、同じサークルに同じ薬学科の先輩がいないなんて事はよくあります。
薬科大学の場合は、サークルがほとんど機能していないと言うこともあると思います。
また、サークルもやっておらず下宿でもなければ日常的に先輩と仲良くなることもありません。
自分はサークルもやってないし、下宿でもありませんでした(笑)
先輩と接点ができたとしても、必ず過去問がもらえるとは限りません。
単位を取ったら過去問を全て処分する先輩がいたり、そもそも過去問にありつけていない先輩もいます。
また、過去問をもらうタイミングも時間が合わなかったり、わざわざ待ち合わせ場所を決めたり、学年が違うのでめんどくさいです。
そのため、意外と先輩からもらうと言うのはハードルが高いものとなっています。
友人から入手
これが一番手軽な方法です。
無理に先輩との接点を作らなくても済むし、同じ授業を受けている人が大半のため欲しい科目等が一致します。
しかし、同級生から入手は厄介な危険を含んでいます。
長い時間一緒にいるため、日常生活でぎくしゃくしたりした場合、とても気まずいです。
薬学部は6年間あるため、人間関係の不和は命取りです。
低学年時は仲良かったグループが休み明けに分裂したり、1人だけ抜けていたり、人数が少なくなったため合併したりと薬学部は6年間あるため、人間関係が移り変わりやすいです。
とんでもない仲違いをして、3年生までは仲が良かったのに4年生以降、座る席も離れ一言も喋らなくなったような人たちもいます。
そういった孤立は、留年や退学を招くきっかけになり得るので、危険です。
初めから一人の人は大丈夫だけど、初めはグループに属していたが途中で孤立した人の退学率はやばいです(体験談)
そのため、無理に同級生間で過去問をもらったりしようとせず、適度な距離感で過去問をもらうといいと思います。
上記2つは、友達がいない学生には絶望的です。
ぼっちには難易度高すぎ‼︎
そんな人でも大丈夫。おすすめの入手方法があります。
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オススメ入手方法①
薬学部の悪しき習慣を逆に利用しましょう。
「グループワーク」です
薬学部は、医療従事者として協調性を重んじる部分もありますので、どの大学でも必ずグループワークやディスカッションを行う機会があります。
憂鬱になる程毎回あります
そういった際、偶然一緒になった普段話さないような班員と会話し、それとなく、過去問の話をしてみましょう。
友好的な人だと、そこから過去問をもらえると言う話に発展していきます。
1つでも、こちらが過去問を持っている場合は、まずこちらから過去問を提供し、敵意がないこと、協力関係を望んでいることをアピールしましょう。
別の教科の過去問との交換でもいいです。
お互い過去問を入手したら、共有し合う仲になっておくとより盤石なものとなります。
距離が離れている人たちであれば、たとえ仲違いをしたとしても学生生活に大きな影響は与えません。
オススメ入手方法②
留年生と仲良くなるのもオススメです。
留年している学生は1つ上の学年の友達が多く、来年度受講するテストの過去問を入手できる確率が高いです。
留年生もこの学年で友達ができるか心配な人は多いでしょうから、自分から積極的に話してみましょう。
Win-Winの関係
ただ、どれだけ必死に集めて、過去問でも無意味になる時はあります。
急に傾向が変わったり、受講している生徒の中に気に食わない生徒がいて、激ムズにしてくる時などもあります。
新しく来た講師など過去問が存在しない授業もあるので、そういった場合は、講師にどんなテストか探りを入れながら、それがわからない場合はただただ勉強しましょう。
過去問を全く入手できなかった人でも進級できる最後の命綱があります。
最後の希望
再試です。
再試は、一度本試験を行なった後になるため、実質全員過去問(本試験)を行なった状態となります。
薬学部は再試が手厚い大学も多いため、たとえ1回目できなかったとしても、試験でできなかったところを見直し、改善する意思があれば、相当難易度の高い試験でない限り再試で合格できます。
全て再試で合格するようなすごい生命力の人もいます。
過去問が入手できなかったからといって悲観せず、最後までしがみついていきましょう‼︎
必要なのは度胸‼︎野球のルールを知らなくても楽しめるギャンブラー野球:ONE OUTS
それでもダメな学生
過去問もしっかり入手し、授業を休むことなく、授業中寝ることもなく、真面目に勉強に取り組んでいる人でも留年になる人がいます。
この場合は、勉強方法が合っていない場合が多いです。
青本を読みすぎてインプットはできているが、全くアウトプットの仕方をわからない人、一部の科目だけを完璧にできるまで極めて広い範囲をカバーできていない、国家試験のよく出る範囲を見落としているなど様々です。
詳しくはこちらの記事に書いてあるため、よろしければご覧ください。
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