前回の記事では、1年生から3年生について説明しました。
今回は、4年生から6年生までについて説明していきたいと思います。
薬学部のおすすめ参考書、教科書、問題集について記事を書きました。めちゃくちゃ多くなってしまいました。よろしければ是非お読みください。
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1年生から3年生までは、座学か実験の繰り返しで、特別なものはありませんでした。
そのため、慣れたら変化のない日々です。
しかし、4年生以降は、環境が大きく変わってきます。
CBT、OSCE、薬局実習、病院実習、卒業研究、卒論発表会、卒業試験、国家試験などやるべきことが沢山あります。
これらを一つ一つまともに対処していたら、手間も時間もかかり、非常に大変です。
しかし、事前に知識があると、最悪の状況から回避することができます。
4年生から6年生の間は「やってはいけない選択肢を見分けること」が重要となってきます。
そのため、この記事が少しでも楽に4年から6年を乗り越えられるような助けになればいいと思います。
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4年生
基本的には3年生に引き続き、座学と実験があります。
ただ、4年生の場合は、実務実習に行くためにCBT、OSCEの勉強しなければなりません。
CBT
CBTとは、Computer-Based Testingの略であり、実務実習に行く前に行われるコンピューターを使った知識を測る試験です。
合計310題で、5択となっています。
問題は学生ひとりひとりで異なります。
しかし、期待正答率の和は等しくなるように作られているため、各受験生の問題の難易度は変わらないようになっています。
OSCE
OSCEとは、Objective Structured Clinical Examination(客観的臨床能力試験)の略です。
簡単に言うと、実務実習に行く前に、知識以外の患者・来局者応対であったり、薬剤の調製ができるかなどの実技的部分を測る試験です。
CBT、OSCEのポイント
CBTとOSCEのどちらも受からなければ、実務実習に行けません。
つまり、5年生に進級できないということです。
しかし、どちらの試験も結果としては、ほとんどの人が受かる試験となっています。
そのためか、「ほとんどの人が受かるから安心していい」と言うような情報が流れてきます。
しかし、それは少々異なると思います。
「ほとんどの人が受かるから、勉強しなくて良い」のではなく、
「ほとんどの人が勉強しているから、ほとんどの人が受かる」
という方が正しいと思います。
つまり、どちらも決して対策しないで受かるような試験ではないということです。
CBTは「1年から4年までの知識の総まとめ」のため、覚える量も多いです。
しかし、国家試験と違い、一問一答形式のため、余裕を持って勉強すれば受かると思います。
ですが、本来乗り越えたいのは国家試験です。
このCBTの勉強をその場限りで終わらせた場合、いざ国家試験の勉強となったときに何の蓄積もなく、また一から勉強し直しということになってしまいます。
そうならないために、早い段階から国家試験を見据えた勉強法を行うことで、6年次に焦らなくて済むようになると思います。
積み重ねが大切‼︎
OSCEは、主に、「患者対応や情報提供など会話の部門」と「散剤や水剤の調剤など実際に体を動かす部門」の2つに分かれてきます。
これは、おそらく4年生のOSCE直前で急に練習が入ってきます。
ほとんどの人が受かるため、学校側もあまり練習をさせません。
そのくらい、OSCEは簡単だと思われています。
私の周りでも、多くの人がOSCEよりもCBTの方を問題視していました。
しかし、私はOSCEの方が不安でした。
CBTは結局5択の問題です。知識がどれくらい入っているかで決まります。そのため、受ける前から大体自分が受かるか受からないかわかります。また、きちんと早い段階から適切な勉強をしていれば問題ありません。
しかし、OSCEは実技のテストのため、受けるその時まで何が起こるか分かりません。
私は、OSCEの本番で手が震えてしまいました。
何とか平常心を取り戻しましたが、パニックになっていたら危なかったです。
試験の課題についても、その場で発表のため、急に頭が真っ白になることもあります。
私の友達たちは、「最初の1分間頭が真っ白になり動けなかった」「途中何をやっていたかわからない」など想定外のことが起きていました。
そういった意味では、CBTよりもOSCEの方が危なかったです。
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とはいえ、CBTもOSCEも再試験があります。
1回目で駄目だったとしても、もう一度チャンスがあるため、即留年と言う事はありません。
どちらもきちんと準備をして余裕を持って試験に挑むことが大切だと思います。
落ち着いて
研究室配属
また、3年生か、4年生ごろに研究室配属が行われると思います。
ブラック研究室に入ってしまったら、日常生活や卒業、国家試験の勉強など、幅広い面で影響を受けてしまいます。
研究室が国試合格に大きく影響
そのため、研究室選びは非常に重要です。
先輩や同級生から情報を集め、慎重に研究室を選ぶことで最悪の研究室から回避する事ができます。
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5年生
CBT、OSCEが終わると、実務実習に行きます。
実務実習は4期に分かれています。
Ⅰ期 4年生の2月中旬〜5月初旬
Ⅱ期 5年生の5月中旬〜8月初旬
Ⅲ期 5年生の8月中旬〜11月初旬
Ⅳ 期 5年生の11月中旬~2月初旬
薬局実習11週間、病院実習11週間の合計22週間です。
はじめに薬局実習を行い、次に病院実習を行います。
薬局実習と病院実習は連続して行われます。Ⅱ期:薬局、Ⅲ期:病院などです。
Ⅰ期:病院、Ⅳ期:薬局など病院実習から先にやったり、期を離すなどはできません。
ここで必ず伝えておきたいのは、
もし選べるのであれば「Ⅰ期Ⅱ期に実習を済ましておきたい」という点です。
絶対に早く終わらせたほうがいい(断言)
簡単に理由を言いますと、Ⅲ期、Ⅳ期だと、就活でも国家試験の勉強的にも圧倒的に不利だからです。
実務実習について詳しく話すと長くなるので、この記事に記載しています。
実習中はおそらく、実務実習指導・管理システムというインターネット上の日誌を書かされると思います。
これが面倒です。
「今日自分が何をやったか」や「何を学んだか」を書かなければいけないし、指導薬剤師や指導教員にも見られるため、毎日レポートを書いている気分です。
最初の頃は、日誌を書くだけで、帰宅後の時間が潰れるようなこともあります。
しかし、慣れてくるとそこまで時間がかからなくなります。
実習での業務はある程度日にちが経つと、同じことの反復が多いため、日誌に書く内容も似てきます。
新しく覚えたことや、新しい業務について日誌に書けばいいので、無駄をなくせます。
指導薬剤師や指導教員も初めは熱心に日誌を見ることが多いですが、3〜4週もすると忙しいこともあり、日誌に対して興味を失います。
毎日きちんと記載をしていれば、特に何か言われることもありません。
また、たとえ日誌を書くの忘れてしまっても、きちんと1週間の総まとめの際に記載すれば大丈夫な場合もあります。
実習先
実務実習は、実習先によって大変さが変わります。
業務以外にも人間関係など面倒なことが多いです。
とんでもない薬局や病院に当たったと言う人もいました。
そのような最悪の展開から避けるために、事前の知識が重要となってきます。
実習先はよく考えて選ぼう‼︎
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6年生
無事、実務実習を終えるとついに最終学年です。
ここまでたどり着くのに、最短でも6年かかります。
4年生、5年生はつらいですが留年する人はほとんどいません。
CBT、OSCEはほぼ全員が受かりますし、実務実習も何か大きな問題でもない限り、ほとんどの人が終了して帰ってきます。
しかし、6年生はまた留年の1つの山場となってきます。
そう、卒業試験です。
大学にも2タイプあり、
「卒業試験を楽にし、みんなで国家試験を受けさせる数打ちゃ当たるタイプ」と
「卒業試験を難しくし卒業を絞り、受かりそうな人を国家試験に受けさせる少数精鋭タイプ」です。
ストレート合格率を気にしている大学は前者になることが多く、見かけの合格率を気にしている大学は、後者が多いです。
どちらにせよ、卒業試験を乗り越えなくてはなりません。
避けては通れぬ道
卒業試験は、大学によって内容が異なるため、それぞれ勉強法が変わってくると思います。
ただ、最終的には皆、国家試験を受けるため、国家試験に基づいた勉強がいいと思います。
私の知る限り、卒業試験は過去問に即した問題が出ると言う大学が多いです。
そういった場合、わざわざ卒業試験のために過去問のみを勉強するよりも、その先の国家試験を見据え、過去問の先を行くような勉強をするべきだと思います。
卒論発表会
卒業試験の前後で、卒論発表会があります。
卒論発表会も大変ですが、多くの場合は、その前に卒論を書き上げることが大変だと思います。
早く終わっている人は5年生のうちに終わっており、遅い人だと、9月近くまでやっている人もいます。
卒論が早く終わる終わらないの違いは、私の知る限り、研究室の違いとしか言えません。
放任主義の研究室や各自で卒論を終わらせ、その結果を見せる方針の研究室は、学生に早く終わらせる意思があれば、早めに終わる傾向がありました。
逆に、教授の指示に従って研究をするような研究室は学生に早めに終わらせる意思があっても遅い傾向にありました。
ここでも、研究室は重要になってくるため、先輩や上級生から情報を集め慎重に選ぶ必要があると思います。
情報は力なり‼︎
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国家試験
卒論発表会、卒業試験が終わると、いよいよ国家試験です。
6年の初めから国家試験までの間に、いくつかの模試が挟まってきます。
これがなかなか精神を削ってきます。
つら〜
国家試験直前までは、大学の方針によって行うことが変わってくると思います。
自習にするところもあれば、直前まで独自の講義を続けるところ、予備校に授業を委託するなどがあります。
私のところは、独自の講義を続けるのと予備校に授業を委託するの両方でした。
インフルのリスクあるし自習が良かった〜
このような日々を過ごし、2月に国家試験を受けます。
国家試験後
国家試験が終わっても、あまり休んでいる暇がありません。
3月が丸ごと休みとは言え、卒業式、合格発表、引っ越し、新年度のための準備などやらなければいけないことが多すぎます。
国家試験後に楽しみを入れている人は、時間のある時に楽しんでおかないと、やりたかったのに時間がなくてできなかったということが起こってしまいます。
私自身、引越しの準備などを行っていたら、あっという間に就職になってしまい、全然楽しめませんでした。
一生懸命勉強したのに(泣)
そのため、事前に計画を立て、旅行に行くなら、国家試験前に予約をしておくなど必ず楽しむという意思が大切です。
合格発表
3月の後半に合格発表があります。
ギリギリまでわからないため、ハラハラします。
発表が遅いよ‼︎
しかし、考えていてもどうにもならないため、国家試験後は好きなことをやって気を紛らわせるほうがいいと思います。
6年間を乗り切る方法
このように6年間を乗り切りました。
薬学部は、留年や退学率も高く、決して簡単な道ではありません。
いくつもの壁が待っています。
しかし、事前に何が大変なのかを知っておくと、その道を避けて歩くことができます。
能力よりも情報が進級の鍵‼︎
先輩や卒業生、ネットなどで情報を調べ、大変だった道を歩まないことこそが、薬学部を乗り切る最大の方法だと思います。
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まとめ
4年生
- CBTは早めに勉強し始める
- 国家試験につながるように勉強する
- OSCEは余裕を持って試験に挑む
- ブラック研究室に入らない
- 先輩や同級生から情報を集め、慎重に研究室を選ぶ
5年生
- 実務実習はⅠ期Ⅱ期に済ませる‼︎
- 実習先が辛い場合は学校に相談
6年生
- 卒業試験は国家試験を見据えて勉強する
- 卒論は研究室が重要になってくる
- 模試はつらい
- 国家試験後は意外と時間ないため早めに行動