薬学部をストレートで卒業および国家試験に現役合格できるかは参考書で決まる!
と言っていいほど重要になってきます。
私が体験して感じたのは、適切な参考書を使って適切な勉強法をしている人は効率よく知識をインプット及びアウトプットし、ストレートで国家試験に合格しています。
一方、使用する教材の選択や、そのやり方をミスしている人は残念ながら再試や留年や浪人を繰り返してきました。
教材選びやその勉強法の方向性を間違えるとそれだけ差がついてしまいます。
そのため、私が6年間様々な教材や参考書、問題集を使ってきて良かったもの、また、最新の書籍もチェックし、学生の時にこれを使っていたらもっと効率良かったのにと思うものなどをまとめてゆき、今後の薬学生の参考になればと思います。
また、多くの薬学生が買うことになるであろう青本の買うタイミングや青本、オレンジブック虹本の違い等についてもまとめていきたいと思います。
最近の参考書事情を確認し、良い教材があれば、随時更新していきたいと思います。
⭐️5 薬がみえる
私が最も愛用した教材です。
というより今も愛用している本です。
「薬がみえる」が発売される前に薬学生だった人は可哀想なレベルで重宝します
このシリーズを全て網羅していれば、薬剤師として生きていけるレベルとなっています。
薬が見えるの良いところは、医薬品の内容を別のアプローチから見れる点です。
大学で使用される教材は、図や解説がどれも似たり寄ったりです。正確さを重視しているため、リアルすぎて正直わかりにくいです。
しかし、「薬がみえる」は違います。
Amazonのサンプル画像を見ていただければ分かりますが、イラストはポップでとても見やすく、詳細に知りたい部分でもうまくデフォルメしながら詳しく説明してくれています。
また、「薬がみえる」の優れている点としては薬学治療についてもわかる点です。
疾患について、薬剤師が知っておくべきちょうどいいラインの知識を記載しているため、余分な情報は覚えることなく、けれども、詳しく具体的な疾患の情報を載せています。
また、呼吸器や神経系など類似した疾患ごとにまとめているため、違いがわかりにくい疾患などを比較して見ることができます。
また、vol.4では薬力学、薬物動態学、製剤学など国家試験の「薬剤」に当たる範囲を網羅しているものもあります。
薬剤の範囲は、参考書が少なく、わかりやすい参考書となるともっと少なくなります。
そのため、「薬剤」を学ぶのは、これ一択と言っていいほどのクオリティです。
薬が見えるは早く買っておいて絶対損をしません。薬学部1年生だとしても買って損はないと思います。
卒業後も何回も見直せますし、実際社会人になっても見返しています。
薬学に関わる人生であるならば、一生重宝する品物だと思います。
絶対早い段階から全巻買っておいた方がいい‼︎
勉強のQOLが劇的に変わる‼︎
⭐️5 薬効別服薬指導マニュアル
具体的な服薬指導例が載っています。
こちらもAmazonのサンプル画像を見ていただければ分かりますが、とても分かりやすく記載されています。
図やイラストが少ないのが欠点ですが、そのぶん、副作用対策やフィジカルアセスメントのポイントなどを記載しているため全然無駄がありません。
この本のポイントは、服薬指導に必要な情報を「患者向け」と「薬剤師向け」に対応して記載してあるところです。
知識として理解していることと、そのことを患者に説明できることは全く違います。
この書籍が、最初に活躍するのは、おそらく薬局実習の時です。
服薬指導について何も教えてもらえず、勝手にやってという薬局も少なからずあります。
指導者の癖が強く、正しい服薬指導について教えてもらえない時もあると思います。
そういった時、困らないためにも、事前にこの本がとても重宝します。
例えば、吸入薬の吸入順序や数多くあるステロイドの副作用の説明の方法、禁忌や併用注意の説明の仕方やその理由などが詳しく書かれています。
5年生だけでなく、薬理を習い始めた3年4年生の頃から持っておくと、その薬についてより具体的に知ることができ、実際実習で現場に入った時、周りと差がつくと思います。
知らない医薬品が出てもパニクらないためのお守り的役割もある大切な一冊
⭐️5 薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100
薬局実習に入ると、まず1番最初の壁は製剤名と商品名の違いです。
薬局では先発名で会話が行われることが多いので、それを覚えるのに苦労します。
その後、2番目の壁として、同じ同効薬であるにもかかわらず、処方されるタイミングが違うものが多くあり違いに悩まされます。そういった際、この本が役立ちます。
例えば、鎮咳薬としてよく出てくるメジコンとアスベリン。
同じ鎮咳薬として薬理では覚えていますが、実際に処方される場合、アスベリンは子供に使いやすく、メジコンは大人に使うことが多いです。
その理由について、青本などで触れられている記載をあまり見かけませんでしたが、この本では詳しく触れられています。
他にも、うがい薬であるアズノールと、イソジンの違いや同じ鉄剤である。フェロミアとフェログラデュメットの違いなど類似薬の違いがわからず、モヤモヤしていた部分を詳しくわかりやすく解説してくれています。
モヤモヤが解決した時人は成長する‼︎
また、OTCの分野に興味がある人は、「OTC医薬品の比較と使い分け」もおすすめです。
こちらの本はOTCのため、学生でもドラッグストアなどに行けば、その医薬品が簡単に手に入るため、より身近な本となっています。
この本で得た知識を使って、自分に必要なOTC薬品を探すのも良いと思います。
⭐️5は社会人になっても持ち歩いているマストアイテムです
☆4 薬剤師レジデントマニュアル
病院実習でのマストアイテム。
ポケットサイズなのに内容が詳細で非常に良い。
電解質や輸液、検査値など5年生の時点では知識としてなんとなく知ってはいるが、活用できないと思われる範囲がポケットサイズで濃縮されています。
抗がん剤の副作用モニタリングや処方提案のポイントなど病院実習で必要な臨床的な内容が全て詰まった素晴らしい本となっています。
病院実習時はいつ質問されても答えられるように、白衣のポケットに常にしまっていました。
ただ、病院実習を終えた後は使い所があまりないのが欠点です。
病院実習に行く際や病院に就職される方などは、100%持っていったほうがいいです。
☆4 くるみぱんの 薬学×付箋ノートBOOK
薬理・治療メインの付箋を用いたおしゃれで、すっきりとしたわかりやすい本となっています。
しかし、惜しい点としては、記載されているポイントがあまりにも少ないため、この本だけで国家試験対策になるかと言うと微妙なところです。
薬理初心者や本当に大切なポイントだけを見たい人にはお勧めです。
薬学では珍しいおしゃれな本です
☆4 徹底攻略1200薬ゼミの必須対策問題集_薬剤師国家試験対策本
この本は、私が現役の頃にはなかったものです。
ただ、私は回数別問題集の必須の部分だけをとにかく解いていた時期があるため、この問題集は非常にうらやましいと思いました。
回数別問題集を何年か分持ち歩くのも結構な重さになっていたので、必須問題だけをまとめている問題集があるのであれば、それに越した事はありません。
内容も回数別問題集の解説と大きく違うということはなく充分理解できるよう工夫されています。
人によって必須問題に取り組む時期は違いますが必ずいつかは来ますので、その際はこの参考書を使ってみたら持ち運びが楽だと思いました。
必須問題は何回繰り返してもいい‼︎
☆4 薬ゼミの要点集
「薬ゼミの要点集」というものも発売されています。
内容を見ると青本の重要な部分をピックアップし、それに一言メモのようにシンプルな説明が記載されています。
正直、青本の焼き回しで手抜きのようにも感じますがあんな分厚い本を持ち歩けるわけは無いので、少し便利に思いました。
青本を複数持ち歩くと重さで体を壊すので、できる限り避けよう(体験談)
推奨としては、国家試験会場に持っていきたい本としてなっていますが、この内容ならば青本を買う前の学生ならば持っていて損はないと思います。
手軽な価格で大切な要点をまとめてあるため苦手な科目だけでも買っておいて損はないと感じました。
この本も私が低学年の時に存在していたら、便利だなぁと思った1冊です。
☆4 青本
青本はいつ買うべきか?
まず、青本いつ買うか問題ですが、
結論として6年生の薬ゼミ講習が始まってからでいいと思います。
中には、5年生から購入し、少しでも他の人と差をつけたいと思う人もいるかもしれませんが、あまりお勧めしません。
現に私は5年生に青本を買って後悔をした1人です。
過去に戻れるなら絶対5年生では買わない‼︎
後悔をした理由の1つ目として、青本の性質的あまり自習には向いていないという点があります。
確かに他より少し早く国家試験勉強を始めることができましたが、結局青本だけを眺めていても意味がないので問題に取り組むのに時間を割きます。
青本は過去問の補助的役割として参考程度に見るものなので、あまり自習での出番はありませんでした。
青本は本来講師がいて、内容の詳しい説明をする際に使用する教材という役割が大きいため、早くから手をだしても意味がありません。
どうしても、過去問をやっていてわからない点が出たとしたら、学校の図書館に行きそこで調べる方がいいです。
青本を5年生で買ってしまい後悔をした理由の2つ目は、最新版の青本とページ数や細かな内容が違うと言う点です。
青本は基本的に毎年アップデートされていくものなので、その内容も少しずつ変化していきます。
授業中講師がページ数を指定した時、前年の青とは、ページ数が違ったり載っていないような内容が書いてあることが結構ありました。
そういった際、全て手書きで書き写さなければいけないので、無駄な労力を費やしてしまいます。
少しだけ早く自習ができるのと、そのページ数や記載内容を修正する作業を天秤にかけた時、
圧倒的に6年生で青本を買った方がよかったと後悔しました。
6年生は時間が命なのにどうでもいいことで時間を無駄にしてはいけない(戒め)
そのため、まだ青本を買っていない方々は、自分が国家試験を受ける年の最新版の青本を購入するのがおすすめです。
領域別既出問題集と回数別既出問題集どっちがおすすめ?
領域別既出問題集と回数別既出問題集は説明の内容的にほぼ同じものです。
領域別に分けているか国家試験ごとに分けているかの違いです。
ほとんど同じ内容と言う点を踏まえた上でどちらを取り組む方がオススメかと言うと、回数別既出問題集です。
領域別既出問題集は正直あまりお勧めしません。
なぜなら、同じ領域の問題が複数問あるため、これを解いている最中では脳がその領域の頭になっています。そのため難しい問題でも連続して解けば解けた気になります。
しかし、国家試験が領域別既出問題集のような形で出題される事は無いので、その領域の頭になっていない状態で解くという訓練ができないのです。
解いてる時は理解した気になるけど長期記憶にはなりにくい
また、領域別既出問題集を9科目順々に回っていくと、最初の頃にやっていた科目の記憶が薄れていきます。
全てを並行してやる位ならば、回数別既出問題集を行った方が持ち運ぶ荷物も少なくて済みます。
本番の国家試験を意識して解くという意味では、領域で区切って問題を解くのではなく、全部を通して解けるようになっておく必要があると思ったため、回数別既出問題集を強くおすすめします。
ただ1つ回数別既出問題集の欠点があるとしたら、何度も解いているうちに、内容を覚えてしまう点です。
領域別にも当てはまらないことはありませんが、この問題をやった後、この問題が出て、この問題の答えは何番だったなど問題を読むより早く答えがわかってしまう場合があります。
そのため、過去問以外の独自問題集も定期的に行い、対策していく必要があると思います。
回数別既出問題集をやりつつ、適度に独自問題集や模試も解いた方が効率的かも
青本とオレンジブックと虹本の違いは?
大学や地域によってはオレンジブック(メディセレ)、虹本(ファーマプロダクト)があります。
実は、私は4年次にオレンジブックも購入しております。
また現役時代、図書館で青本、オレンジブック、虹本を並べ、わからない部分は参考にしている経験があり、少なからず青本、オレンジブック、虹本の違いについて理解しているつもりです。
簡単に比較すると
- 青本(薬ゼミ):ほとんどの薬学生が使っている
- オレンジブック(メディセレ)使用している学生はごく少数だが、ゴロの記載があり、ゴロで覚えるのが好きな人はおすすめ
- 虹本(ファーマプロダクト):オレンジブック以上に使っている人を見たことないが、図がわかりやすい
正直、内容はどれも大きく変わりがありません。
突出したのがあれば楽だったんだけど
青本とオレンジブックと虹本どれがおすすめ?
その上で、どの教材を使用したらいいかというと
青本です。
理由としては、単純に使用者が多いからです。
薬剤師国家試験は相対試験のため、多くの受験生が覚えている部分は自分も覚えている必要があります。
逆に言えば大勢がわからないような問題は別に正解しなくても良いのです。
そうなると、自然に使用者が多い「青本」で勉強することが最善となります。
ただ、学校がオレンジブックや虹本を推奨していたり、授業に使用しているのであれば全然それら2つでも問題ないと思います。
その参考書3つに大きな差は無いため、もし悩むのであれば、実際に大学の図書館に足を運び、自分がわかりやすいと思った参考書を見つけるのがいいと思います。
参考書は高いため複数買わなくて問題ないです。学校指定があるならそれでよく、指定もない場合は自分が見やすいと思ったもの‼︎こだわりがないなら「青本」という感じです。
おすすめの過去問勉強法
自分に合ったものを使用するというのは参考書にかかわらず、過去問等でも言えます。
ちなみに、私は講義、参考書は薬ゼミ青本でしたが、自習用の過去問はメディセレの過去問題集を使用していました。
はじめは、薬ゼミの過去問を使用していましたが、その問題に対する視点が青本や講義と全く同じで、別の角度から問題が出されたとき対応できないと感じたためです。
一方、メディセレの過去問は、薬ゼミとは違う教え方をしているため、解説も違った角度からの解説となってきます。
そのため、どちらの良い点を取り込むことができました。
勉強法に正解は無いため、自分にフィットする参考書、問題集を見つけれられればと思います。
いろいろ試した結果、基本的な知識は薬ゼミでつけるが完全に薬ゼミのみだと他の学生と差がつかないため、問題集などをうまく利用し、平均以上の点数を目指すという方針が自分には合っていました‼︎
★3 治療薬マニュアル
治療薬マニュアル(医学書院)、治療薬ハンドブック(じほう)、今日の治療薬(南江堂)はほとんど形式や内容自体は変わりません。
強いて言えば、
- 「治療薬マニュアル」はPC、スマートフォン、タブレット端末でも無料閲覧可能
- 「治療薬ハンドブック」はアプリの使用が可能
- 「今日の治療薬」は医師が使用している傾向が強い
これらの医薬品集は、薬剤師であるならば1つは必ず持っておくべきものとなっています。
薬局実習の際に、医薬品集を持ってくるように言われる人もいると思います。
実際に見て、自分の読みやすいものを確認するのが1番ですが、
もしも迷っているのであれば、ウェブ電子版対応である治療薬マニュアルが1番無難だと思います。
薬剤師感のある本です
★3 病気がみえる
「薬がみえる」の疾患版です
「病気がみえる」も、わかりやすく疾患がまとめられています。
これを持っていれば、わからない疾患はまずなくなると言っていいほどです。
しかし、薬学部のテストという点においてはあまり使用しませんでした。
薬学部で習う病態や治療は病気が見えるほど深くなく、それよりも薬の機序や作用の方が重要視されます。
そのため、私は循環器や脳・神経など苦手な範囲のみ購入していました。
もちろん全て買って備えておけば知識の幅が広がり良いと思います。
どんどん得意な疾患を増やしていこう‼︎
✴︎2 CBT試験対策参考書 コアカリ重点ポイント集
正直あまりおすすめしません。
薬ゼミの欠点は、4年生までの低学年向けの参考書問題集が、あまり充実していない点です。
国家試験向けは充実しているのですが
コアカリ重点ポイント集は青本からCBTに出そうなレベルのものを抜き出してつけたような感じです。
決して見づらいわけでは無いですが、正直、淡々と出そうなところが列挙してあるだけなので、無機質な感じがして、記憶に残るようなものではありませんでした。
そのため、コアカリ重点ポイント集を買っても、ほとんど見ず、練習問題ばかり行っていました。
本来であれば、CBT勉強に向けての教材の流れで、国家試験まで続けていきたいところですが、なかなかうまく当てはまる教材がないのが難点です。
今後いい教材があれば紹介していきたいと思います。
申し訳ないが学校で買わされる専門的な教科書は何一つ国家試験には役立ちませんでした(泣)
教材ではなくもっと気楽に読めるおすすめ漫画・書籍もまとめました。よろしければご覧ください。
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