薬学部6年間を生き残る上で、
最も大切な事は「国家試験で行われる分野や科目を好きになる」ことだと思います、
具体的には物理、化学、生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務
です。
なぜこれが最も大切なのかと言うと、6年間ずっと付きまとうためです。
1年生から6年生まで常にどれかの科目は必ず学んでいます。
科目自体が嫌いになってしまうと、勉強する意欲がなくなり、次第に知識も入ってこなくなります。
実際、暗記力はそこそこあるが、勉強に興味が持てず6年間を耐えられず退学していった友達も少なからずいます。
そのため、その科目を学ぶことに対するモチベーションを上げることが6年間を生き残る最も大切なことだと感じました。
私は、漫画や書籍など、自分の興味がありそうなものを見てモチベーションを上げていました。
長い6年間のうち、特にオススメだった漫画、書籍を今回紹介させていただきます。
本格的な薬学部のおすすめ参考書、教科書、問題集はこちらに記事にしました。頑張って書いたので見ていただけると幸いです。
はたらく細胞:免疫
100%薬学に関係してきます。
これを読んでいれば、免疫の授業では、だいぶ他の人と差をつけられると思います。
内容としては、細胞を擬人化し、体内に入った細菌ウィルスなどと戦うなど体の中で起こっている細胞たちに焦点を当てたファンタジーとなっています。
1巻の目次ですら、1話肺炎球菌、2話スギ花粉アレルギー、3話インフルエンザ、4話すり傷と漫画とは思えないような内容です。
これだけ見ると、お堅い教育系の漫画に見えてしまいますが、内容は完全にエンターテイメントとしての漫画です。
知識を入れるための漫画ではなく、漫画から知識を覚えると言う最高の形になっています。
キャラが立っており、1度読めば、その細胞がそのキャラとして記憶される事は間違いありません。
歴史系の漫画やゲームでその歴史の人物を知るようなものです。
とにかく楽しくわかりやすく印象に残る漫画です。
免疫は国家試験では範囲が狭く、出題される内容も限られています。
そのため、基本的には「はたらく細胞」の内容を理解しておけば、後は詳しい部分を覚えるだけなので、だいぶ試験勉強が楽になります。
実際私は免疫の範囲はほとんど勉強せず、しかし内容はわかっているという最高の展開が待っていました
また、免疫の授業の最中も、漫画のことを思い出しながら聞くことができるので、他の科目と比べてモチベーションが高く保てます。
「はたらく細胞」は薬学生ならぜひ見て欲しい。
そして見て絶対後悔しない作品となっているため、1巻だけでもぜひ試していただけると実感していただけると思います。
ちなみに、「はたらく細胞」にはめちゃくちゃ派生があります。その中でも「はたらく細胞BLACK」はより薬学部に近いと思いました。
第1巻から喫煙、細菌、肝臓、淋菌など薬学部で必ず習う内容が収録されています。
こちらも、薬学部として見ておいて損がない漫画となっていますので、ぜひ試して見てください。
Dr.STONE:物理・化学・生物
物理・化学・生物など科学全般の楽しさ、偉大さを学べるとても素晴らしい漫画です。
内容は文明が滅んだところから現代文明までの科学史を駆け上がるアドベンチャーとなっています。
全体的に薬学との親和性が高いですが、特に化学の分野ではドンピシャです。
薬学生なら必ず習うサルファ剤を原材料から作っていく過程が描かれており、アセトアニリドなども出てきます。
薬を作る上で化学反応は欠かせない‼︎
他にも薬学に関係する植物など幅広い知識を得ることができます。
科学の集大成と言うような内容の濃さです。
原作はアイシールド21、トリリオンゲームなど数々のヒット作を生み出している稲垣理一郎先生です。綿密に練られた内容とサクサク進むテンポ感が最高です。
薬学は科学の結晶です。
科学に興味を示しすことができれば、薬剤師国家試験までの道のりも明るいものになると思います。
薬屋のひとりごと:生薬・漢方、衛生
生薬や漢方への興味が出てくる漫画となっています。また、毒について記載もあるため、衛生にも関わってきます。
国家試験において、生薬・漢方は、得意な人が存在するのかと言うレベルで難しいです。
生薬の名前、薬用部位、漢方の名前、効果など常人ではまず覚えられません。
しかし、少しでも興味を持つことができる生薬や漢方があれば、知ってる知識を正誤で判断し最後は消去法で選べば良いので問題の正答率は劇的に変わってきます。
「薬屋のひとりごと」は中世の宮中で下働きをする薬師の少女が中心の話であり、楽しく読むことができます。
ちなみに、「薬屋のひとりごと」は、厚生労働省とタイアップするほどです。電子処方箋について知ってもらうためのきっかけになってほしいとの事でした。
生薬漢方は、薬学生に必ず立ちはだかる大きな壁です。そのため、早いうちから興味を示しておき、授業の時に少しでも興味を持って聞けるようにしておくといいと思います。
また、「薬屋のひとりごと」はマンガが2種類あるという特殊な形をとっています。
サンデー版とガンガン版がありますが、私は両方読むことをお勧めします。アニメもおすすめです。
面白い原作なので何度読んでも面白いです
もやしもん:微生物、衛生
微生物、衛生の分野に類似しています。
物語は、菌が見える体質の主人公が様々な騒ぎに巻き込まれるお話です。
物語にはサルモネラ属菌やインフルエンザウイルス、H・ピロリなど多くの菌、ウイルスが可愛くデフォルメされて登場してきます。きちんとその菌やウイルスの特徴なども説明があり、人間にどう及ぼすかなども漫画に記載されているため、菌やウィルスたちが身近に感じるようになります。
微生物、衛生で出てくる菌、ウイルスたちもなかなか覚えにくいです。
カタカナが多く薬学だけで学んでいるとイメージがつきにくいです。
漫画で菌やウイルスのイメージをつけて、再度確認という形で微生物や衛生を学ぶと知識がつきやすくなると思います。
常在菌たちいつもありがとう‼︎
トリコ:免疫
「トリコ」は「食」をテーマにしたバトル漫画で一見薬学と何も関係ありません。
しかし、私は薬学を学んでいて、急にトリコを思い出しました。
トリコにはノーベル医学、生理学賞を受賞した「オートファジー」が登場します。
薬学でも「オートファジー」が登場し、とても重要な部分として紹介されました。
私はトリコを読んでいたおかげでオートファジーを正確に理解できました。
第48話から50話に「オートファジー」が出ているため、その部分だけでも読んでみてください。
薬学の部分を抜きにしても、トリコはとても面白い漫画なので、ぜひ読んでみてください。
めちゃくちゃ漫画に出てくる食べ物が美味しそうで食欲も出てくる
DOCTOR PRICE:転職
医師専門の転職仲介の話です。薬学から離れてしまいました。
しかし、この漫画非常に面白いです。
一人紹介したら平均報酬300万円。桁違いの世界である医師の転職に関する物語。
狡猾であるが人間味のある元医師、鳴木が一癖も二癖もある医師たちの転職を取り巻く物語です。
医師が中心の漫画となると、治療に関するものになりがちですが、この漫画は切り口が違います。
うまく制度などを利用し、医師に本来の価値以上の値札をつけていきます。
制度や知識を学ぶことの大切さを実感しました。
転職について知る機会
転職は薬剤師も切ってもを切れないことです。
おそらく医師よりも薬剤師の方が転職は多いと思います。
そういった際、この漫画思い出すと転職も違った見方ができると思います。
チ。―地球の運動について―:モチベーションアップ
5世紀ヨーロッパの地球に関する真理を巡った探求の物語です。
もはや薬学と全く関係ありません。
しかし、ここで紹介させてもらっている理由があります。
このマンガを読むと「学び」に対するモチベーションがめちゃくちゃ上がります。
真理を探求したいと言う気持ち、考え続ける意味、学ぶことの必要性を考えさせられました。
これを読んだ後、どんな分野であれ、その事象について興味を示すより深く知りたいと思うこと間違いなしです。
薬学は様々な分野の知識が必要です。その全てに対して常にモチベーションがあるとは限りません。
そのため、「学ぶ」ということの大切さを教えてくれる。
この漫画は薬学の分野を超えてとてもオススメです。
「学ぶ」ことが好きになったら、時間がかかったとしてもいつかは必ず薬剤師になれると思います
世界史を変えた薬:薬理、衛生、薬物治療、法規・制度・倫理
医薬品が世界に与えた影響。
その医薬品が存在したから今の世界があるという医薬品の重要性をよく理解できる本となっています。
内容はビタミンC、キニーネ、モルヒネ、消毒薬、麻酔薬、サルファ剤、ペニシリン、アスピリン、エイズ治療薬など薬学部の6年間で全て習うものです。
当然国家試験にも出てきます。
そんな内容をわかりやすく、授業に習うより前に先取りできると言う素晴らしい本になっています。
ビタミンCの話が好き
この本の特徴としては、とても読みやすい所です。
一般的に、こういった新書は文章が難しく、途中で読むのを諦めてしまう人が多いです。
しかし、この本はたとえ医薬品の専門用語であっても、わかりやすく噛み砕いて説明しており、すらすら読めます。
大学生になって本を読む習慣をつけたい人や少しずつ書籍を見るのに慣らしておきたい人に一押しの本です。
歴史を変えた10の薬:薬理、病態・薬物治療、法規・制度・倫理
こちらも薬剤が与えた世界の変化について記載されているものですが、アヘン、ヘロイン、鎮痛薬、ピル、ワクチン、製薬会社、薬品関連の規制など医療に関わる広いものを紹介しています。
外国からの翻訳版なので、「世界を変えた薬」よりかは読むのが少し難しいですが、それぞれ興味を引くようなテーマとなっているため、特に読むのに問題はないと思います。
専門書と呼ぶほど、堅苦しいものでもないため少し薬学の奥底を覗いてみたいと言う方におすすめです。
興味を引く内容だからスラスラ読める‼︎
Newton大図鑑シリーズ くすり大図鑑:薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理
とんでもなくわかりやすい。さすがニュートンです。
そして、ニュートンの得意技であるオールカラーでわかりやすい図と説明文。
サンプルを見ればわかると思いますが、特に図に力を入れています。
大図鑑と言うだけあります。
図鑑と言うと、子供向けに見えてしまいますが、内容は完全に現役薬剤師と同等レベルです。
ジェネリック、保険機能食品、耐性など基本知識から抗生物質の成り立ち、漢方生薬、そして薬理で習う薬品の説明、さらに新薬の開発についてまで記載されています。
また、市販後臨床試験やプロドラックドラッグ、デリバリーシステム、オーダーメイド医療などは薬学部3から4年生で習う製剤、法規・制度・倫理に該当します。
こんなに深くわかりやすく説明している書籍はほとんどありません。
薬ゼミなど国家試験向け教材とは違うまとめ方をしているのもGOODな点
薬学部の低学年で、薬学部の全体を学びたいと言う方にはぜひお勧めです。
また、高学年になったとしても日々の勉強の助けにもなってくれる素晴らしい本となっています。
毒物ずかん キュートであぶない毒キャラの世界へ:衛生
毒物たちが可愛らしく擬人化され、日常に潜む身近な例などを合わせながら、わかりやすく解説されている本です。
薬剤師国家試験の衛生では、薬物・毒物の中毒や、その解毒方法などが国家試験に出てきます。
これらは覚える量は多いです。しかしこの本に載っている大体を覚えていれば、もう追加で覚える必要はほとんどありません。
水銀、ヒ素、カドミウムや自然毒であるアトロピン、アミグダリン、テトロドトキシン、アフラトキシンなどは必ず国家試験対策で習います。
メタンフェタミン、MDMA、ヘロインなどは別の衛生の範囲でも習います。
おそらくこの本で紹介されている毒物は、国家試験では毎年何問は必ずは出ていると思います。
つまり、この本を読んで理解しておくだけで、早くも国家試験の問題が解けるようになるのです。
衛生を習う前にこの本を見て、毒物に関する知識を入れておくのも良いですし、
授業で衛生が習った後、この本を得て知識を植え付けるでもいいと思います。
授業で習うときは、単語のみの紹介になることが多いため、全然イメージがつきません。
しかし、この「毒物ずかん」でキャラのイメージをつけておけば、内容と作用が一致すること間違いなしです。
暗記系は早めに覚えとくとテストでもいい点数を取れ、記憶も定着しやすいので早い段階から見ておいて損は無い‼︎
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