薬学部の大学生活は、想像しにくいと思います。
特に新入生・高校生の方は、どんなことをやるかわからずに入学となると不安だと思います。
大学のHPなどを見ると華やかな大学生活を演出していることが多いです。
しかし、事実とは異なります。
リアルを記載したら、誰も薬学部に入ってこなくなります。
そのため、私の体験したリアルな6年間の感想を記載し、これから薬学部を乗り切る人の参考になればと思います。
これから記載することは、私の大学での経験のため、大学によって多少異なることがあります。
薬学部は2〜6年生前半向けの参考書が充実していない‼︎
そんな考えから広い範囲の学生が利用できるような要点集を作成しました。
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1年生
基本的に、薬学部で習う科目は、一般基礎科目と専攻科目に分かれています。
だいたい1年生、2年生で一般基礎科目を終えます。
特に、1年生はほとんどが一般基礎科目です。
一般基礎科目は、薬学と関係ないものがほとんどで、外国語などがありました。
1年生で専攻科目も一部入ってきますが、物理、化学、生物の高校で習った範囲の延長など優しい科目が多いです。
そのため、授業自体は1番楽でした。
大学生らしい生活を送るとしたらこの時期だと思います。
簡単に単位を取れるものが多いため、直前の勉強で大丈夫だと思います。
ただ、良い評価を取るというのであれば、それなりの対策が必要です。
1年の一般基礎科目で良い評価を取っておき、GPAを高めておくのも良いと思います。
私はGPAに力を入れていました‼︎
大学の成績はGPAと言う指標で比較されます。
他の学部では、GPAが就活で関係するという話を聞くことがあります。
しかし、薬学部の場合、大半が薬局やドラッグストアで働きます。
それらの就活でGPAが内定に大きく関係したという話はほとんど聞きませんでした。
GPAは良いに越したことがありませんが、就活の面ではあまり気にしなくても良いのかもしれません。
このように薬学部にとって、GPAはあまり関係ないものですが、研究室選びでGPAが必要となってくることがあります。
私の大学はそうでした。
GPAが良い人から順番に研究室を選ぶことができました。
研究室選びは、薬学部3〜6年生の期間を過ごす上でとても重要になってきます。
ブラック研究室に入ってしまったら、日常生活や卒業、国家試験の勉強など、幅広い面で影響を受けてしまいます。
そのため、1年生の時は遊び尽くすのも良し、良いGPAを取っておき研究室選びで有利になるのも良しと思います。
とはいえ、あまりにも遊び過ぎると留年します。
それぞれのビジョンに合った選択を行うことが大切となってきます。
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2〜3年生
ここから学年が上がるごとにつらくなってきます。
座学
2年生以降では、勉強する科目が一般基礎科目から専攻科目に移行し、内容も薬剤師国家試験に関係するようなものとなり、難しくなります。
しかも、ほぼ全てが必修科目です。
自分の場合、2年生以降の科目はすべて必修科目でした。
学習量も多く、月曜〜金曜、朝9時〜夕方5時くらいまでが当たり前となってきます。
薬学部で留年や退学をする人の多くが座学でつまずきます。
薬学部は留年率が非常に高いです。
残酷だ…
その理由は、やはり座学の難易度が高いからだと思います。
再試験は当たり前です。ほぼ全てが必修科目のため、ある一定以上単位を落としたら進級できません。ギリギリで単位を取ったとしても、薬学部の勉強は知識を積み重ねていくため、きちんと覚えていない範囲があると、その分野に関連する次の試験で間違えなくつまずきます。
これらが学年が上がるごとに顕著になってくるため、自然と進級率も低くなるのです。
とにかく、2年生3年生になると、進級をするだけで、一苦労となってきます。
そのため、他の大学生と比較するとあまりの辛さに嫌になってくることがあるかもしれません。
そうならないよう、他の学部の学生とは比較せず、薬学部は、薬学部として心しておいた方がいいと思います。
薬学部はつらいもの‼︎
実験
大学によっては前後するかもしれませんが、たいていはここら辺から実験を伴う実習が始まります。
これが非常にきついです。
私のところは、週2回午後1時から6時までぶっ続けでの実験でした。
実験は、人によって好き嫌いが分かれますが、私はこれが本当に嫌でした。
私が実験が嫌いだった理由をまとめたいと思います。
①班員ガチャ
まず、班員によって実験の難易度が大幅に変わってきます。
班員に1人でも、やる気のある人や実験が得意な人がいれば、その人と協力して実験を進められるため、少しは楽になります。
しかし、実際はほとんどの人がやる気がありません。
まず、実験操作についての話を聞いてる人がほとんどいませんでした。
そのため、実験が開始になっても、誰1人として動こうとしません。
それぞれ役割を決めても、ほぼ何もしません。
挙句の果てには、実験中なのに外出し、実験が終わりそうな時に帰ってくるような人もいました。
それを教授側もわかっているのに、一切お咎めなしでした。
これだけでメンタルはボロボロです。
②帰るのが夜遅くになる
次に、終わる時間が延長されやすいことも嫌な理由でした。
実験によっては、結果が出るまで、何時間も時間がかかることがあります。
効率的な授業を行う場合は、時間管理がきちんとされており、時間がかかるものは初めにやり、空き時間で別の作業をするなど工夫されています。
しかし、時間に無頓着な授業だと、実験終了時刻ギリギリから時間のかかる実習をやり始め、その実験が終わるまで実習が終わらないなんていうことがよくありました。
また、実験器具によっては、台数が足りず、班ごとに交代で使う場合、後半の班になってしまうと帰る時刻が大幅に遅れるなど物理的な制約もあります。
ただでさえぶっ続けで5時間近く実験いるのにそこから延長となると頭がおかしくなります。
夜8時まで延長されたこともありました。
③レポートで無理難題を要求される
座学では、国家試験を意識し、広く教えているため、レポートも普通の難易度が多いですが、実験となると急にレポートの難易度が上がる授業があります。
その理由としては、自分の専門分野の実験をやらすことができるため、より深いところまでレポートを書かせることができるからです。
本来、実験に適した内容は決まっていると思いますが、変な授業だと、自分の専門分野を実験させることがあります。
そういった場合、教科書に載っていないようなことを勉強させられたり、その教授の本をみないとわからないようなことをレポートとして出してきます。
いちいちその教授の本を見ないとレポートが書けないため、とても手間がかかります。
また、そこまで深い知識は、明らかに薬剤師の知っておくべき範囲を超えています。
そういう教授は、自分がいかに凄いのかを知らしめるためだけに実験を行っているのです。
④出席が命
実験は出席が命です。
出席できていないと補講があったり、場合によっては単位を与えないなどということがあります。
出席については、念入りに出るよう言われるので、私を含め、私の知り合いにも実験の時、休んでる人は誰もいませんでした。
しかし、休んではいけないということが精神的に追い詰められます。
体調が悪くても、実験のある日は必ず学校に行かなければならないというのがなかなか辛いです。
こういった理由以外に、そもそも私の手先が器用ではなかったことも実験が嫌いな理由の一つでした。
実験が嫌いな人は、とことん嫌いだと思うので、ここで退学してしまう人の気持ちもよくわかります。
しかし、逆に言えば、実験は出席し、レポートさえ出していれば単位が取れます。
そもそも、実験は良い評価を取ろうとして取れるものではないと思います。
良いレポートを書けば良い評価が取れる授業ももちろんありますが、採点基準があいまいでその採点者の思考に合ったレポートが評価されるようなものもあります。
そのため、評価は割り切って、心を無にし、その時間だけ実験室で耐え、ただ単位を取ることだけに集中するのもありだと思います。
私は、最初は良い評価を取ろうと無理をして頑張っていました。
しかし、その過程と結果が割に合わないと思ったため、途中からは諦め、必要最低限のことだけを淡々と行いました。
実験について、あまりにもネガティブなことを書き過ぎましたが、全てがこういった実験なわけではありません。
こういったおかしな実験がなく卒業した人もいるでしょうし、そもそも実験を苦痛だと思わない人もいます。
私がたまたま、すごい苦痛だっただけです。
しかし、これを逆に考えると、ここまで実験が嫌いだった人間でも、きちんと卒業できているということです。
これから実験をやるという方は、あまり気を張らず、自分のできる範囲で行うことが大切だと思います。
怖がらなくて大丈夫‼︎
2、3年生は特にきつい時期ですが、決して無理だけはしないよう気をつけてください。
まとめ
1年生
- 大学生らしい生活を送るとしたらこの時期
- GPAにより研究室選びで有利になることがある
- それぞれのビジョンに合った選択を行うことが大切
2年生、3年生
- ほぼ全てが必修科目
- 薬学部は留年率が非常に高い
- 他の学部の学生と比較してはいけない
- 実験がきつすぎる
4〜6年生については、また別の記事で記載させていただきたいと思います。
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